お知らせ

令和6年4月より、柴﨑 孝浩校長が着任いたしました。

令和5年度卒業式 式辞

 梅香る今日の良き日に、ご来賓の皆さま、並びに保護者の皆さまのご臨席を賜り、茨城県立並木中等教育学校第11回卒業証書授与式を盛大に挙行できますことは、私どもとしまして、この上ない慶びであり、本校教職員を代表いたしまして深く感謝申し上げる次第でございます。

 ただ今、卒業証書を授与しました卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。保護者の皆さまにとりましても、お子様の大きな成長を前に、喜びもひとしおのことと推察いたします。この6年間、お子様を励まし支えていただくとともに、本校の教育活動に深いご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。
 
 振り返れば、卒業生の皆さんが入学した年は平成30年、元号がひとつ前の年でした。ノーベル生理学・医学賞を本庶佑さんが受賞、また、今も躍進を続けている大谷翔平さんがアメリカのメジャーリーグで新人王を獲得しました。卒業生のひとりひとりの心の中には、入学したときの思い出が収められていることでしょう。
入学後、コロナ禍の制限ある学校生活を過ごすことになったのは、3年次生になってからでした。オンラインでの授業に切り替わり、修学旅行の行先は変更となり、その後の4年・5年次も、コロナウイルス感染対策として、マスク着用が求められ、会話が制限される中、かえで祭の縮小開催やウォークラリーの中止など、学校行事は例年の計画とは大きな変更を余儀なくされました。そのような状況でも皆さんは、何とかできることはないのかと試行錯誤をしながら、精一杯の学校生活を過ごしていました。
そして、最高年次生となった今年度、皆さんはこれまでに蓄積したパワーを十分に発揮してくれました。コロナ禍により引き継ぎがままならない状況においても、三大学校行事が成功したことは、ご意見番である皆さんが学校の中心となり、後輩たちを導いた成果です。皆さんの行動力には感謝の気持ちしかありません。皆さんが残してくれた伝統は、在校生が引き継ぎ、新たな伝統としてさらに育んでくれるものと期待しております。

 さて、世界は今、人権問題、経済的格差、環境問題など、大きな課題に直面しております。さらに、人工知能は進歩・発展を続け、変化の先を予測することが困難な時代になってきています。皆さんは、今後これらの課題に立ち向かい、生きていくことになります。それぞれの立場で様々な場面に遭遇し、試行錯誤しながら選択していくことを求められるでしょう。
しかし、恐れることはありません。皆さんは、本校の「能動的に考える」学習で身についた力を発揮するときがきた、と「このときを待っていました。」と課題に取り組むことができます。なぜなら、6年間の学習活動の中で、自分で課題を見つけ、仲間と対話しながら解決策を求め続けてきた皆さんが身につけた力は、目には見えませんが、確実に体に染み付いているからです。
本校の教育活動三本柱「人間教育」「科学教育」「国際教育」のもと、筑波研究学園都市に立地するという贅沢な教育環境において、その良さを享受してきた皆さん、いつの日か、この学び舎での6年間の経験が皆さん自身を支えてくれていることに必ずや気が付く日がくることでしょう。

 卒業を前に、第11回生が選んだ「漢字」は 「彩(いろどり)」でした。選考理由に、一人ひとりの個性が豊かで、本校を鮮やかに彩ってきた年次であり、チームワークの良さが持ち味、画数が十一画という点も上げられていました。そして、卒業後も一人一人が輝き、活躍することで、世界中を鮮やかに彩っていこうと思いますとの約束は、頼もしく、皆さんの底力と熱い思いを感じずにはいられません。
やりたいことがある人は、やりたいことを。やりたいことがない人は、「世の中が必要としていること、やるべきこと、自分がやれることの視点を忘れずに、本校の校是にある Be a top leaner 学び続ける人」でいてもらえることを希望します。
 結びにあたり、ご来賓及び保護者の皆さまのご健勝とご多幸、並びに卒業生の皆さんの前途が幸せで満ちあふれるものになることを祈念いたしまして、式辞といたします。

令和6年3月1日
茨城県立並木中等教育学校 校長 深澤美紀代 

令和5年度全校集会 (R5・12・20)

〇 昨日の課題探究 校内発表会、お疲れ様でした。特に5年次生、探究の試行錯誤の様子がよく分かりました。発表が終わって、達成感を味わうことができましたか。 この一人一研究の課題探究が本校の強みです。皆さんにとっての大きな糧となることを約束します。
〇 さて、10月から始まった後期も、3ヶ月経ちました。10月初めには、しばらくぶりに2日間のウォークラリーを実施、11月は年次ごとの行事がありました。
 1年次生は芸術祭として、各々の特技を披露し、仲間の新しい面を知ることができて盛り上がったと聞きました。
 2年次生は、ブリテッシュヒルズで英語漬けの生活を通して、国際感覚が芽生えましたか。
 3年次生は、広島での平和研修と京都での文化研修を通して、自分の中に大事な経験を残せたことでしょう。
 4年次生はキャリア講演会で企業の方の話を聞き、大学見学によって、卒業後の自分の姿が明確になりましたか。
 5年次生は、ベトナム修学旅行、これは本校の三本柱のうちの国際教育、人間教育の校外学習の集大成ですから、感性がかなり磨かれてきたことと思います。
 最後に、6年次生、10月当初の自分と今の自分を比べてみてください。(体重や身長だけではないですよ。)学力や、真剣さが3ヶ月前とは遙かに違う自分がいるはずです。素晴らしい成長です。
 そして、6年次生の頑張っている姿、変化が、後輩に対する強いメッセージとなっています。後輩は、6年次生の姿を目にすることで、最高年次になったときの自分をイメージすることができるので、大変ありがたいことです。
  並木中等生は、振り返りは得意ですよね。R80で3ヶ月間を振り返りノートに記すのはいかがでしょうか。

〇 そして、振り返った後は、新年の新たな目標の設定ですが、これまでの目標達成度はどれくらいですか。100パーセント達成できている人は? 
目標には、年の初めの大きな目標だけでなく、例えば、「ゲームをするのは〇時間にしよう。」とか「スマホは〇時以降は触らないようにしよう。」あるいは、帰り道で、「今日は数学の課題をやってしまおう。」とか自分で小さな目標を決めることもありますね。でも、なぜか「やっぱり今日はいいか。」とか、「ついスマホでユーチューブ3時間」なんて失敗を繰り返したりしている方はいませんか。「私は意志力が弱いなあ。」と自己嫌悪に陥ったりしませんか。
〇 そういうタイプのあなたに伝えたい! 昨日の課題探究発表にも、近い内容がありましたが、 「やる気」スイッチがいつの間にか「オフ」になってしまう、いわば「やる気停止スイッチ」が入る状態、言い換えれば「やらない力」が発動した状態ですね。
 この「やらない力」を発動させないためにはどうすればいいのか。「意志力」を鍛えるにはどうしたら・・・「スタンフォードの自分を変える教室」(ケリー・マクゴニガル氏著書)この本に示されている方法を参考にお話しします。
〇 この冬、年が明ける前に、自分の「やらない力」が発動する状況、いわいる失敗のパターンを観察してください。各自への課題です。探究は得意ですよね。「やらない力」が発動したとき、客観的にもう一人の自分が状況の観察・分析をします。具体的な場所と時間をつきとめます。例えば、課題をやらない自分が今いるのはどこで、今手にしているのはスマホやゲーム機、PCだとか、あるいは家の外、お店なのかなど。
 「やらない力」の発動状況がわかれば、その状況から自分を遠ざける方法や行動パターンを割り出すことで、「意志力」強化の第一歩が踏み出せます。
その状況が分析できたら、対策の実験をします。例えば、人間は目の前の誘惑には弱いので、スマホやゲーム機、漫画本などは目の届かない、手も届かない部屋に置いて、あるいは、自分の体を自分の部屋以外において、とりあえず、10分間誘惑に勝つ姿勢を続けるなど、意志力を鍛えるための実験を繰り返すことで、自分の「やらない力」の発動を遅らせる実験をします。
  勉強だけではなく、お菓子をつい食べ過ぎてしまう人は「自分をコントロールできない力」の発動状況を分析し、誘惑に勝つ「意志力」強化パターンを生み出しましょう。スタンフォードのケリー先生は言っています、学業で成功するかどうかは、知力よりも「意志力」しだいですし、優れたリーダーシップを発揮できるかどうかも、カリスマ性よりも意志力が決め手だと。
 〇 12月8日発行の進路だよりには、勉強の意欲をうむ7つの習慣が記載されています。新年を迎える前に、自分自身を探究して、「意志力」強化の実験をしてください。
〇 最後に、今日は冬至、ゆず湯に入って体を温めて睡眠をしっかりとり、明日からの生活に備えましょう。  以上です。

令和5年度後期始業式 (R5・10・2)

〇 先週金曜日に前期終業式を行いました。週末は、SSH企画の植樹作業に参加した生徒、国際教育SGS企画で東京ジャーミーでイスラム文化を堪能した生徒、部活動の試合、模擬試験と様々な行事がありました。

 

〇 今日から後期が始まります。始業式にあたって、鷲田清一(わしだ きよかず)さんの言葉を紹介します。朝日新聞の一面、「折々のことば」を連載している哲学者ですが、私が知ったのは、担任をしていた頃の生徒の試験問題でした。特に模擬試験の題材って、時々、このあとが知りたい、と思う文章に出会うことがありますよね。

 

〇 紹介したい内容は、

「他者を理解するということは、どういうことか?」という問いに対して、

鷲田さんは、こう言っています。

 「他者とひとつの考えを共有する、あるいは他者と同じ気持ちになることではないということだ。 むしろ、苦しい問題が発生しているまさにその場所に居合わせ、そこから逃げないということだ。言葉を果てしなく交わすなかで、同じ気持ちになるどころか、細部において、ますます自分との違いを思い知ることになる。」

 

〇 皆さんは、どう考えますか。

 

〇 新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」を皆さんに求めていますし、私たち教員も、そのために授業展開を工夫しています。

 さらに、本校では、授業以外でも、探究活動、学校行事、掃除でさえも学年の異なる生徒同士で同じ場所を一緒に掃除しているように、様々な場面で「対話」する場面を設定しています。生徒同士の対話、教員と生徒との対話、先人との対話、「対話」によって、新しいイノベーションを起こすことさえ期待しています。

 

〇 10月からの半年は、ウォークラリーや研修旅行、課題研究校内発表会があります。さらに、3年次生にとっては、後期生言わば高校生への準備の時期、6年次生にとっては、進路実現と、イベントが目白押しです。楽しいときも、苦しいときも、対話を通して、相手を理解し、自分を知って日々を大切に過ごしていければ、年度末には成長した自分に会えることでしょう。

 

〇 半年後の自分を描きながら、これからの時間を大切に、対話を大切に過ごしていきましょう。

令和5年度前期終業式 (R5・9・29)

〇 今年度前期を振り返りますと、コロナ感染症の位置づけが2類相当から5類となり、学習活動をコロナ禍前に何とか戻したいという気持ちと、コロナ感染予防を考慮しなければならないというジレンマがあったように思います。さらに、夏になると猛暑日が続いて、熱中症予防の観点から様々な制限が必要となり、例年通りというわけにはいかないことが多かった半年でした。

〇 特に、6月「かえで祭」の久しぶりの「一般公開」については、実行委員の生徒たちはかなり悩み、担当の先生方と相談しながら、感染予防を踏まえた工夫をした上で進めてくれました。各クラスや部活動、有志団体の企画も、感染リスクを考えて、人数制限や企画内容の工夫をしてくれました。結果的に大きな事故もなく、大成功したことは皆さんにとって大きな達成感につながったことでしょう。

〇 今回強く感じたことは、コロナ禍の年月によって途切れてしまった活動の再開には、時間と大きな労力が伴うということです。生徒の皆さんと一緒に「新しいチャレンジ」として取り組んできましたが、かえで祭だけでなく、様々な学校行事で感じたことです。

〇 そのような言わば手探りの日々の中でも、SSHのサイエンスカフェは17回、SSH講座は14回も開催され、多くの希望者が参加しました。さらに、生徒発信プロジェクトや国際教育の一環である、SGSカフェも開催されるとともに、運動部、文化部、同好会、あるいは個人での活躍もすばらしかったです。夏休み前の表彰式、壮行会や、本日の表彰式、壮行会で皆さんにお知らせしたように、とても多くの生徒が様々な場面で活躍していました。
また、福岡で開催された世界水泳選手権では、皆さんの先輩がアーティスティックスイミングで見事金メダルを受賞したというニュースも届きました。本当に嬉しいことです。

〇 話は変わって、このあと、前期の通知票が手渡されます。
この6ヶ月間の自分の学習活動をふりかえり、今後の学年末に向けた励みにするためです。いわば現状把握、自分の様子を「かえりみる資料」です。

〇 実際は、通知票を見なくても、自分で予想はつくのではないでしょうか。
例えば、国語の授業に意欲的に臨んでいたか、具体的には、提出物を決められたように出せたか、定期テストの問いに答えられたかななど、振り返ってみれば自ずとわかることです。
評定の数字に一喜一憂するのではなく、前期で何ができていたのか、あるいは足りなかったポイントは何なのか、各科目についてふりかえってください。自分のこの半年の学習の様子を客観的に分析してください。そして、10月からの自分の学習態度・意欲として、具体的に、継続する点と、改善する点を書き出してみると、さらなる向上への行動の変化につながります。

〇 中間評価の今にとらわれることなく、学年末に向けて、今日を頑張りのスタート地点にしましょう。
皆さんが、前向きに始業式を迎えられることを期待します。

学校長挨拶

 本校は並木中等教育学校となり16年目を迎えることとなりました。

 本校の校是は“Be a Top Learner!”です。校是とは、その学校の設立に対する思いであり、すなわち「本校に託されたもの」です。そして、その意味は“高き学習者たれ”であります。本校設立に関わった方々の「最高に学ぶ人であって欲しい」という強い願いが込められております。

 職業や技術的にトップ、すなわちいちばんになることを求められているのではありません。学ぶ姿勢、「学ぼう」とする意識の持ちようについての願いですから、だれでもTop Learnerになれます。ひたすら貪欲に学ぶ姿勢でいるということは、決してだれかと競うことではなく自分自身との約束ですから、だれにでもできることです。

 生徒の皆さんには、日常を問題意識をもって過ごし、興味関心の心の蓋を閉じることなく、物事にも自分以外の人に対しても、積極的に関わりをもつ姿勢をもつよう願っております。気を抜くと、与えられる情報だけに満足して、物事の本質を見極めようとする「学ぶ人」であることを忘れてしまうので、校内に示してある校是を目にした時に、自分にTop Learnerでいるか、と問いかけて欲しいと伝えております。

 次に、本校の校訓(目標)について説明します。
   「自制」 「自律」 「自尊」
 具体的には、自分の感情・欲望・わがままを抑え、皆が正しいと認めるルールを自らつくり、それにしたがって行動し、世界に一人しかいない、かけがえのない自分や皆を大切にすること。

 このような心持ちと行動を生徒の皆さんに望んでおります。

  そして、私たち教職員は、生徒の皆さんが能動的な学びのできる人間力を備えた、グローバルリーダーになれるよう全力でサポートします。

 学ぶ人は生徒自身、学校の主役は生徒です。教職員は授業展開や学校行事を含めた教育活動を充実させ、生徒の皆さんが安心して学べる環境を準備しております。

 さあ、並木中等教育学校で、あなたも“Top Learner!”になりませんか。

茨城県立並木中等教育学校    

学校長  深澤 美紀代   

お知らせ

令和5年4月より、深澤 美紀代校長が着任いたしました。